第4章 ◆休暇任務
『 〜♪』
「 ・・・はぁ。」
チラッと横を見てから
大きくため息を零す俺。
さっきの店でサービスとして貰った
2つのキーホルダー。
余程嬉しかったのか、
サラはキーホルダーを
自分の目線より少し上に上げ
プラプラと揺らし
それをニコニコしながら眺めている。
『 ラビ、緑ね。
私、赤にする♪』
「 は、はぃ・・・。」
楽しそうに話し掛けてくるサラに対し
俺は覇気のない返事をするが
果たしてこの返事も
彼女には聞こえているのかは不明。
きっと、否定しても
聞いてもらえないだろう。
・・・というより、
そのキーホルダーをペアで持つ事は
絶対らしいさ。
『 緑と赤って言ったら、
クリスマスみたいだね!』
「 んぇ、
あぁ・・・そだね。」
ー・・・もう、クリスマスなんて
とうに終わりましたよ、サラさん。
生憎、というか幸運にも
以前のクリスマスは
お互い任務で会うことは無かったから
良かったものの、、
ただ、ずっとサラが
一緒にパーティしたいと
俺を待ち伏せしては
サンタの帽子を被って
クラッカーを鳴らし騒いでいたので、
ただの迷惑行為に終わった
というのは記憶に新しい。
『今年のクリスマスは
一緒に過ごしたいなぁ。』
・・・来たぞ、これ。
まぁ、クリスマスの話題ともなれば
大体そういった発言が出るであろう。
「・・・まだ10ヶ月以上も先の話さ。」
『皆でお祝いできたらいいね!』
その為に、頑張ろうっと。
サラはそう言ってまた
キーホルダーに視線を戻す。
ー・・・〝皆で〟か。
その発言は少し意外だった。
・・・って何期待してたんさ俺。
違う違う。
「 それより、サラ。
そもそも、クリスマスのカラーが
赤と緑に制定されたのは
処刑の際にイエスキリストが流した血と
柊の緑が起源とされてるんさ。
捉え方は人それぞれだけど、
サラは血でいいのか?」
まぁ、諸説はあるだろうけど、
この説が1番有名な話。
ちょっと怖がらすために
言ってみると、
『 ・・・うん!』
即答でした。