第4章 ◆休暇任務
「 ・・・・・・・・・・・・は?」
「 ・・・3つ、かい?」
謎の×3に思わず素の反応が出る俺と
手渡された髪留めとサラを交互に見ながら
素直に聞き直す店主。
「 な、なんで3つ?」
そんな疑問を恐る恐るサラにぶつければ
『 だって、
折角ラビが選んでくれたんだもん。
私用と鑑賞用と保存用に・・・』
「あ、店員さん、ひとつでいいです!
それ下さい!」
サラが言い切る前に
俺は大声で遮ると
面倒だから俺の後ろにサラを置いて
さっさと会計を進めた。
『 えぇ!勿体無いよ!
こんな機会早々ないのに!
ラビが、・・・ラビが私のために、
私を想って選んでくれるなんて・・・!』
ぶーぶー文句言うサラは
なにやら財布を出しているようで、
ー・・・まさか、払う気さ?
もうそれ結構、本気じゃねぇか・・・!
男としても、サラの趣味を通さない為にも
そんなサラより早くに会計を済ませる。
「 お騒がせしましたっ!」
そして、サラの手を無理やり取り
足早にその店を後にしようとしたその時
「あ、待って!お兄さん。 」
店主に呼び止められた。
ー・・・な、なんさ?
釣りの渡し忘れか?
・・・いや、ピッタリの額払ったさ俺。
訳も分からずとりあえず振り返ると
「 これ、良かったら持ってきな。」
そう言って目の前に差し出される
2つの小さな巾着のようなキーホルダー。
「 ・・・?」
『 ・・・?』
意味が分からない俺と
同じことを思ったらしいサラは
お互い顔を見合わせて
そしてまた店主に向き直った。
「 君たち仲良さそうだからさ。
2人とも離れないように、御守り。
サービスだよ。」
そう言ってにっこり笑う店主に
ふふっと笑って答えるサラ。
・・・、
・・・いや、それ・・・、
・・・余計なお世話さぁぁ!!