第4章 ◆休暇任務
『 あ、ここって、
さっきの!
えっと・・・
・・・オブジェ!』
「オブジェと違うから!
れっきとしたお店だから!」
思い出したように言ってっけど
間違ってるさ、それ。
ーそう、サラがオブジェというそれは
街に着いたばかりの時にサラが見付けた
CLOSEの看板が立て掛けてあった例の屋台。
CLOSEだった看板は
今はOPENの看板に変わり、
屋台に小さく立て掛けてあるのではなく
大々的に道に出されていた。
ーにしても、
『 すごい、綺麗〜!』
やっぱり。予想的中。
OPEN前に見た時は商品は何もなく
棚の上には分厚い布が掛けられていた為に
何を売っているかは分からなかった。
けど、よくよく見れば
少し凝ったデザインの屋台だったから
何となく商品の想像はついてた。
やはりその店は
アンティーク調のアクセサリー屋。
ー・・・女子は好きだろ、こゆの。
沢山並べられているアクセサリーを
端からずっと見ているサラを見て
俺もほっと一息つく。
さっきの子犬もそうだが、
子犬と戯れている姿や
こうやってアクセサリーに
目を輝かせている姿は
どっからどう見ても普通の少女。
「いっつもこんな姿なら可愛いのに。」
ふと思うその感情をつい口にしてしまう。
『 え?
ラビ、何か言った?』
「 あ、いや、
・・・何でもないさ。」
危ねぇ。聞かれてたさ。
少しビクつく肩を下げ、
屋台の端に凭れていた背中を剥がして
サラの隣に立つ。
「これなんか、いいんじゃね?」
『 え? どれどれ?』
誤魔化すように商品を物色する俺は
サラの視線まで屈み、
小綺麗に飾られた一つ一つの装飾を
ぱっと見渡せば、目に止まる
ひとつのアクセサリー。
それを伝えるとすぐ様
サラの顔が真横に来る。
あまりの近さに
ふわっと香るサラのシャンプーの香りに
一瞬、怯みながら。
その商品を手に持ち
隣のサラの頭に当てがった。