第4章 ◆休暇任務

「 ･･･」


『 ･･･』




「 ･･･ど、どうよ？」



無言の空気に耐えかねた俺は

サラへ恐る恐る聞く。



『 ･･･ラビ。』



俺の声に反応したサラは

ずっと下に向けていた視線を

ゆっくり、俺へと移した。



「 ･･･？？？」



俺へと向けられたその視線、

いや、その表情は

悲しげとも感動とも捉えられる

そんな難解なもので

思わず俺は首をかしげた。



そして、、、






『 たまらなく美味しいっ!!』




ー･･･うおっし！きた！




「 だろー？？だろだろ？

ここのキッシュは超うめーんさ！」



･･･そう、

俺達は今、キッシュがうまいと評判の

先ほど提案した例の店に来ている。


とてつもなく面倒臭いくだりがあったのは

もうこの際忘れよう。


そして、目の前で

キッシュの美味さに感動するサラ。


美味しそうに食べるその姿が

何故か可愛く見える。


ー･･･きょ、今日だけさ。

こんな感情は今日だけ･･･うん。


そう言い聞かせて俺は

おかわり自由の焼きたてパンを

頬張った。



『ラビはすごいね！

こんなお店まで知ってるなんて。


沢山あるお店からどうやって

ここを見つけたの？』



ふと投げ掛けられる質問。


その質問に俺は躊躇なく･･･



「 前にリナリーと来たんさー。」



素直にそう答えた。



『 ･･･そっか。

いいなぁ、私も今度

リナリーやアレン誘ってみようかな。

たぶん、神田は来ないし。』


そう笑って言う彼女の

一瞬曇る表情を俺は見逃さなかった。



やきもち･･･ってやつなんか？

俺が、ほかの女の子の名前を出したから？



『 でも･･･』


俺が考えていると

サラはまた表情を曇らせた。



『 リナリーどうして

教えてくれなかったんだろう。

ラビがいるなら私も来たのになぁ･･･。』




そうぼそっと呟く彼女。




なんですと？


あの時リナリーはサラも誘ってたんか！