第4章 ◆休暇任務
…確かに。
確かに俺は焼き肉が好きと公言している。
なんなら、
三食焼肉でも良いと思っている。
こんな四字熟語があっても良いとさえ
心底思っている。むしろ願っている。
だけど、女の子相手に
三食焼肉を付き合わす男が居るだろうか。
ってことで
女の子にも喜ばれるよう…
(ほんとは作らせないように。だけど… )
少しは考えたつもりさ…
なのに、
『ラビの好きな焼き肉屋さんが
あるのかと思ってた。。。』
いやなんでそんな悲しそうに言うんさ。
『ラビはずっと焼き肉なんだって
ずっと、信じてたのに…。』
…いやまて。まてまてまて。
そんな泣きそうな顔で言わないで…。
「 俺、そんなずっと
焼き肉ばっか食ってないさ…。」
『 …それは浮気なの?
それとも、他に本命が居るの?』
一体これ何の話なんさ…!
「ちょ、落ち着けってサラ。
俺が食堂行く時ずっと横いたじゃんか。
なら、分かるさ?」
だんだんと俯くサラの両肩を支え、
軽く顔を覗き込むようにして問い掛ける。
『 …わかんないよ。』
か細い声で発せられたその言葉に
俺は心を痛ませ…
「あーもう、わかったから!
俺は焼き肉が好きさ!
三食全部焼き肉が良いくらいさ!
けど、女の子にそんな
ガッツリモリモリ系の食事に
付き合わす訳ねぇだろ。
それに今は朝さ!
これから他の店も回るんだろ?
肉好きでもさすがに重いから!
な?分かってくれた?」
頭を掻きながら
半ばヤケになって捲し立てる俺。
そんな俺を見てサラは
『 やっぱり、
私のこと考えてくれてたんだね!』
…俺の羞恥の発言は
ピンポイントだけをピックアップされ
サラは満足そうにキラキラしていた。
一体何なんさー、この茶番は…!
『ラビ、ありがとう!
しっかりキッシュの勉強するね!』
ー…そんで、勉強
それもするんさな。
この、やりとりで
2日分くらいの労力を消費した気がする…。