第4章 ◆休暇任務
「やっぱり…。」
『静かだね!』
あれから、夜が明けるのを
ふたりして横に見ながら
のんびりとしたペースで
街へと下っては来たものの。
「モーニングどころか
シャッター街さー…これ。」
案の定、どこの店も閉まっていて
ふと広場の時計台を見上げれば
時計の針は
6:15
を示していた。
ー…そうだよな、
もし俺が店主ならこんな朝早くに
開店さしたりしねぇさ。
回転率どころか
来客すらない時間じゃん。
ふぅ、と肩を落とす俺を見て
サラはずっとニッコリ。
そして、
『ねぇ、ラビ。
たくさん歩いて疲れちゃったから
お店が開くまで
ちょっと休もう?』
そう提案しながら
広場のベンチを指差していた。
「そだね…。」
情けない返事をしながらも
ベンチへ移動するサラの後ろを
トボトボと着いていく。
そして
ちょこん、と端に座るサラの横へ
俺も腰を落とした。
ちらりと横を見やれば
ニコニコと回りを見渡すサラ。
こんな殺風景な街並みを
そんなにも楽しそうに見られるなんて
ー…まるで遊園地に来た子供みたいさ。
そう思えば何故か
こんな寂しげな広場の中でも
心も軽くなる気がした。
『楽しみだねー!
全部のお店見て回ろうね!』
明るく笑いながら
そんなことを言うサラ。
なぜだろう。
最後のセリフに重みがある。