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†D.gray-man† 追っかけ少女物語

第4章 ◆休暇任務




薄ぼんやりと

海の向こうが白くなりかけている頃。

まだ冷え冷えとする空の下

たまに身震いしながら

俺達は街へと続く坂を下っていた。


寝起きのこの寒さで目が覚めた俺は

ふと、隣でるんるん歩くサラに

目を向ける。


ふわり、と膝丈のワンピースを風に靡かせ

その風から身を守るように

厚手のショートカーディガンを時折両手で抱き

少し短めのブーツを鳴らして歩くその姿は

何処からどう見ても、普通の少女。


ー…でけー過去背負ってるなんて

想像つかねぇさ。


そのギャップに

ふっと微笑めば、


『どしたの?笑っちゃって。』


不意に目が合ったサラに怪しまれる。


「なんでもねぇさー。」


なんでここで目合うんだよ。と

恥じらいながら適当に誤魔化して、

そそくさと前を歩いていくと

『気になるよー!』

そう後ろから小走りで付いてくる声。

こんなことしてたら、平和ボケしそうさな。


明日には結構な任務が待ってる。

そんなことも感じさせないサラの姿に

思わず気が抜けてしまう。


いつの間にか隣で歩くサラを見やれば

ニッコリと微笑む笑顔を目が合う。


『もうすぐ、夜が明けるね。』

そう言うサラの後ろに

地平線から光が射し込んでいた。


「やっとさー…。」

思わず本音が零れると


『やっとこれからデートって感じだね!』

真逆の方向で捉えられた言葉が帰ってくる。


ー…まぁ、もういっか。

ここで全てに突っ込んでいたら

後がもたないと思うので

少しスルーすることにした。


長い1日が始まる。



それは、

良い意味でも

悪い意味でも。

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