第4章 ◆休暇任務
『ねぇねぇ、ラビ
私、街に行ってみたい!』
「おー、俺もそのつもりだったさ。」
お互いにテンションの温度差が
かなり、ある中
ニコニコと楽しそうに話すサラと
歩幅を合わせて歩く。
ー…こんな朝早くから
開いてる店なんて、
ねぇだろうなー。
そんな事を考えながら、
目の前でキャッキャとはしゃぐサラをみて
俺も少しだけ、
自然と顔が綻んでいた。
『ラビはよく街に行くの?
やっぱり、人が沢山いて楽しいんでしょ?』
ふと、サラが俺の顔を覗き込んで
投げ掛けてくる質問。
「俺はたまにしか行かねぇさ。
そりゃ、昼時にでもなれば
人はわんさか居るけど…
俺よりサラのが詳しいんじゃねぇの?」
俺なんかよりもずっと
長くここに暮らしているサラだから
そんな質問が来るなんて想定外で
思わず聞き返していた。
『私、任務以外で外出た事
ほとんど無かったから
よく、分からないの。
小さい頃は教団から出られなかったし
今もなんだか、怖くて。
…でも、今日はラビと一緒だから
凄く楽しみなんだっ。』
サラリと暗い過去を話してくれるサラ。
触れていいのかいけないのか、
ニコニコと楽しそうにするもんだから
俺の方が返答に困る。
でも、まぁ、
「…楽しいさ、街は。
美味いもんもいーっぱいあるしな!」
笑って返すと
サラもまた、笑って頷いた。
そして、
早朝5:40
俺達は教団を後にした。