第4章 ◆休暇任務
ー…さて、と。
どうすっかなぁ、これ。
「…はぁ。」
自然とこぼれる溜め息に
『ラビ、まだ眠いの?
ちゃんと寝た?』
隣で明るく話しかけてくるサラ。
俺達は今、静まり返った教団内を
ふたりして歩いている。
普段、サラが俺の後ろを引っ付いてる
ってそんな歩き方だからか
稀なポジションに少し躊躇いながらも…。
ーそれは、昨日俺がふと提案した
〝気晴らししよーぜ。〟
その言葉のせいだった。
「…え。」
ー…ちゃんと、寝た ですって。
それ、貴女が仰るんですか。
サラの言葉につい素の反応を示してしまう。
「いや、あの…。
サラさん?
…外、見えますか?」
俺は開かない目をこじ開けながら
吹き抜けになっている窓を指さした。
『うん、いいお天気だと思う!』
そんな窓を見もしないで
俺直視したまま即答するサラ。
ー…あぁ、
朝起きた時に天気は確認済みなのな。
「…。
そうだねー、晴れてるし
風もなさそうさ。」
ー…って違う!
そんなことが言いたいんじゃねぇさ俺は。
気を取り直して、、
「それに、
ま
だ
、
月明かりで景色がよく見えるよねー。」
ほとんど棒読みで
薄ら笑いを浮かべながら
隣のサラに微笑んでみる。
…そう、
現在の時刻、
AM5:20
朝の5時、地形からして
まだまだ暗い夜の空の下
早朝に出来るのかよってほど
明るさを全面に出して
俺を起こしに来たサラに
無理矢理連れられて
この静寂に満ちた教団内を歩いている。
静かなのは、皆がまだ寝ている時刻だから。
『ラビとデートなんて、初めてだから
楽しみで早起きしちゃった。』
なんて言いながら、
俺はそんなサラに
突っ込むのも忘れて
されるがままに引っ張られている。
…俺が迂闊だった。
流れに任せて、あんなこと言ってしまった
俺が馬鹿でした。