第2章 ◆任務の後
「ただいまさ、リナリー。」
俺はアレンの手を借りて立ち上がり、
リナリーに向かって微笑む。
「あ、そうだ。
僕たち今から食堂に行くんですが
リナリーもどうですか?」
手を叩きながら思い出したかのように
アレンがリナリーを食堂へ誘う姿に
「ちょうど、昼時だしさー」
俺も乗り気に便乗したが、
「ごめんね,
まだ兄さんとの話が終わってなくて…
後で合流するから!」
リナリーは少し慌てる様子で
俺たちに背を向けながら話すと
その場を去ろうとした。
…何かあったんか?
リナリーはエクソシストにして
科学班の話もわかる子さ、
またコムイのやつが変なもんでも作ったんか。
やれやれ、とリナリーに同情の目を向けて
いってらっしゃいと手を振る俺とは他所に
「それとっ!」
そんなリナリーにアレンが素早く
リナリーの腕を掴み、立ち去る事を阻止した。
「…?」
俺は目を丸くさせてその状況を目の当たりにする。
そして、
「…サラは、どうしたんですか?」
アレンは恐怖にも捉えれる笑顔を
リナリーに向けながら、問い掛けた。
「えっ…。」
…そんな聞き方しなくても…。
ほれ、リナリーがびびってんじゃん。
「アレン、そんな聞き方…」
明らかに女の子に聞く態度ではないアレンに
俺は間に入ろうと試みるが…
「ラビも気になってるんでしょ?
今まで、ラビの迎えは必ずサラだったのに
どうして今日はいないんですか?
ただ、任務に行っているだけなら
リナリーは正直に伝えてくれるはずです。」
「…。」
真剣な表情に変わるアレンの言葉に
リナリーは何も答えない。
…え、どゆこと?
「ちょ…、もしかして
サラに何かあったんさ?」
俺は頭の中に浮かんだ疑問を
直球に言葉に出してしまった。