第8章 カカシとの同居
•カカシside
何が起きている…?
男はオレに構うことなくユヅキの頭をなで続けている
カカシ
「お前は何者だ…。」
オレは男に尋ねた
「ユヅキに聞け」
男はそれしか言わなかった
そしてしばらくの沈黙
それを破ったのは
オレではなかった
「お前がユヅキ、殺そうとすれば、お前を殺す」
男は鋭い目つきでオレに向かってそう言い放った
オレが、ユヅキを…殺す……?
そんなことはありえない
オレには殺せない
どこに愛した女を殺害できる男がいるんだ
いや、居たとしてとオレは殺さない
ん?…愛した女?
は?
オレが?
ユヅキを…
愛してる?
そんなはずは…
オレはただ幸せになってほしいと
そう、ただ願っているだけのはずだ
……じゃあ、なんで今、イライラしてるんだ…?
この男を見てからだ
「お前はユヅキを好いている」
言われた
ちょっ、ユヅキ起きたらどうしてくれんのよ…
まぁ、熟睡中みたいだけどさ
「ユヅキ、人と接するの、苦手になりつつある、それだけ言っとく。」
……?
そんな様子はどこにも無かったような……
「奏多」
男はユヅキの飼い猫の名前を口にした
カカシ
「猫の名前?」
奏多
「奏多」
自分を指差して男は言った
……は?
この美少年があの猫?
男は猫の姿に変わると
ユヅキの隣で寝始めた
カカシ
「え?マジなの?」
オレの呟いた声は部屋に小さく響いた
オレはしばらくしてからユヅキの部屋を出た