第8章 カカシとの同居
•カカシside
やけにユヅキの部屋が静かだった
もう寝てしまったのかとも思ったが、気配もなかった
オレは慌てて扉を開けた
中には誰も居らず、窓だけが空いていた
カカシ
「……全く、世話のやける子だね…。」
オレは空いた窓から家を出た
とりあえず、里中を隅から隅までくまなく探す
里のほとんどを探し終えたが見つからない
…残ったのは、うちは一族の領土
規制線が張られているから、立ち入りはしないと思っていたが
やはりそこなのか…
オレは規制線をくぐって中へと足を踏み入れた
そこはやはり子供なんかが来ていいとは言えないような所だった
辺りにはまだ血痕が残っていたり、遺体のあったところにはテープが貼られていた
一刻も早くユヅキを連れて出よう
オレはそう思った
すると奥から人が歩いてきた
オレとそう変わらない身長
白髪で男のオレでも惚れそうなくらいの整った顔した男
暗くてよくは見えないが、何かを抱きかかえている
カカシ
「誰だ…?」
オレの問いに答えずに近づいてくる男
そして男はオレの約1m前で止まった
そこでようやく気付いた
カカシ
「ユヅキ…」
抱きかかえられていたのはユヅキだった
マフラーに眼帯、いつもの部屋着、疑い所がなかった
カカシ
「ユヅキをどうする気だ…」
オレは戦闘態勢にはいる
男は小さな声でつぶやいた
「ユヅキに聞け」
ただそれだけ
それだけ言うとオレを横を通ってうちは一族の土地から出て行った
オレは男について行った
着いた先には、オレの家
男は迷いなくユヅキの部屋の窓から入った
カカシ
「ぇ、ちょっと…。」
さすがに声が漏れてしまった
そしてオレも家に入って、ユヅキの部屋にいった
扉を開けたら、男はユヅキをベッドに寝かせ、頭を撫でていた