第20章 サスケと大蛇丸
カカシside
腕の中で眠るユヅキの寝顔を見つめる
全くもって子どもの成長とは恐ろしいな
身長は伸びているが、サクラやいのより低いってことは栄養が足りてないんだろうな…
休養が必要なのはオレよりユヅキの方だな
身長に合うだけの体重があるとは思えないほど軽い身体の持ち主は、オレに全てを委ねて眠り続けている
することもなく、先程まで読んでいた本を片手に取って、読み始める
それから彼女が起きたのは2時間ほどしてからだった
太陽も後約1時間も経てば沈むであろう頃に腕の中にいたユヅキは目を覚ました
ユヅキ
「んっ…」
小さく声をもらすユヅキに、今まで感じたことない色っぽさを感じてしまう
カカシ
「っ、おはよう、よく眠ってたね」
ユヅキ
「おはようございます?」
寝起きで頭が働いていないのか、状況が読み込めていないらしく目をパチパチさせている
しばらくすると、目を見開き、すぐにベッドから立ち上がり、オレの腕から抜ける
ユヅキ
「ごめんなさい!私、つい寝ちゃったみたいで…。ホントにごめんなさい」
次第に声を小さくしていくユヅキに2回目の謝罪は1回目とは違うものだと感じた
カカシ
「後の方の謝罪は何かワケありかな?」
少し意地悪く聞いてみると、やはり図星だ
ユヅキはオレに何も言わずにサスケを追って里を出たことを後悔していたらしい
ユヅキ
「カカシさんはいつも私たちを気にかけていてくれたのに何も言わずに黙って居なくなったりしたから…」
カカシ
「嫌われたんじゃないかって?」
ユヅキ
「…」
下を向いたまま顔を上げないユヅキ、どうやらこれも図星みたいだな
あぁ、そうか
オレはこんなにユヅキの中で大きな存在になりつつあるんだな
そう思うとなんだか怒る気もなくなってくる
ほんと、どうしようもないくらいにユヅキに浸っているのはオレじゃないか
元より怒るなんてこと出来るはずもなかったのかもな
自然と体が動き、しばらくの間、ユヅキを抱きしめ、頭を撫でていた