第6章 出会い
•ユヅキside
カカシさんが私の言葉を信じてくれたのか
それはわからないけど
でも、この人は悪い人じゃないから大丈夫
ユヅキ
「ところで、カカシさんはどうして此処に?」
カカシさんは驚いたような表情をしている
私、間違ったこと言ったかな…?
確か、前にあったのって私が4歳の時だと記憶しているんだけど……
カカシ
「少し気になって、ね。」
気になるようなこと…
兄さんの事件か……
カカシ
「まぁ、あのイタチが君を殺すわけないのに、首に絞められた跡があるなんて、気になるじゃない?」
ユヅキ
「…鋭いですね。」
この人の観察眼…良すぎないかな?
カカシ
「で、誰にやられたの?」
これは嘘なんてつけない
そう思った
ユヅキ
「今から言うことは誰にも言わないでください。特にサスケには。三代目様には私から全てお話しします。」
カカシさんは黙って頷いた
ユヅキ
「これは、父に首を絞められた時につけられたものです。両親は……一族は……、私を殺そうと考えていたようです。」
私は精一杯、暗い雰囲気にならないように明るく振る舞った
つもりだったのに…
思い出すと悲しくて…言葉が詰まりそうになる
ユヅキ
「父は躊躇いもなかったみたいです。母はサスケだけを見ていました。私のことは何も見てなかった。」
でも、止まらない
言葉が次から次へと出てくる
どうしてなんだろう…
ユヅキ
「私は兄さんよりは弱い、でも少しなら救えたかも知れない…、あの日の兄さんはいつもと少し違ってたのに…、私がもっと早く気付いていれば…!」
どんどん負の感情に汚染されていく
ユヅキ
「私が、私が…!」
カカシ
「もういい。もう話さなくていい。」
カカシさんは私の頬に流れる物を拭って、私を優しく抱きしめた
カカシ
「すまなかったな、思い出させて。今は、涙が枯れるまで泣いとけ。」
私はカカシさんの温かさに気付けば、涙が止まらなかった
ユヅキ
「少し…、ほんの少しの間だけこのままでいさせてください……。」
その身をカカシさんに預けて、眠った