第6章 出会い
•カカシside
ユヅキの話は次第と後悔ばかりに偏っていった
オレはユヅキにどんな顔をしていればいいのかわからなかった
だから、逃げた
涙を拭って、抱きしめた
こうすれば互いの顔が見れない
だから、表情には困らなかった
だが、それは正解だったようだ
今、この子は甘えるような相手がいない
イタチは里抜け、弟も弱ってる
一族や両親は死亡
気付けば周りに甘えられなかったんだろう
ずっと心の中では泣きたかったんだろう
でも、環境がそれを許さなかったんだろう
今は、今だけはオレがそばにいよう
イタチがいない今、この子のことが少しでもわかるのはオレだけかも知れないな
イタチと大蛇丸のアジトに乗り込み、ユヅキを里に連れ帰る途中
イタチは「オレに何かあった時はユヅキを守ってください」と、言った
イタチ、お前はその時からこうなることがわかっていたのか……?
それとも、一族から狙われると危惧していたのか
どちらにせよイタチ、お前は何がしたかったんだ?
オレはいつの間にか腕の中で眠っていたユヅキをベッドに運んだ
そして、ベッドのすぐ横の椅子に腰を下ろした
カカシ
「オレがお前の居場所になれたらいいんだけどなぁ…。」
なんて、呟いても何も変わらない
あぁ、オレはこんな小さな女の子に惹かれてしまったのか……
ふと気づくと、ユヅキの目からは涙が流れていた
ユヅキ
「にぃさん…、行かないで……。」
そう言って手を上に伸ばすユヅキ
オレはユヅキの手を取り、ぎゅっと握った
カカシ
「もう大丈夫だ。」
オレは小声で呟いた
手を握ったことに安心したのかユヅキの涙は次第に止まり、穏やかな表情へと変化していった
その表情を見て、オレまで何故だか安心できた