第6章 出会い
•ユヅキside
奏多
「首、噛む。」
奏多はそう言って私の首に軽く噛みついた
少ししてから奏多が離れて
奏多
「出来た。」
奏多がそう言った時、ふと疑問に思った
ユヅキ
「私は吸血鬼なったの?」
奏多は首を横に振った
奏多
「なってない。手、出して。」
奏多に言われるがままに手を差し出す
奏多は私の手を見つめてから放した
奏多
「ありがと、よろしく。」
ユヅキ
「うん。よろしくね。」
サスケ
「おーい、ユヅキー。」
遠くからサスケの声が聞こえた
ユヅキ
「もう、戻らないと。」
私は眼帯を付け直し、マフラーをまいた
ユヅキ
「奏多、行こ。」
私が奏多の方へ向き直ると、奏多は真っ白な猫に変化していた
ニャーン
奏多が鳴いた
私は猫姿の奏多を抱き上げて、サスケの元に戻った
ユヅキ
「サスケ。」
サスケ
「なんだよ、その猫。」
ユヅキ
「森の中にいたの。綺麗な子でしょ?」
サスケ
「飼う気なのか?」
ユヅキ
「ダメかな?」
サスケ
「飼うなら、世話はユヅキ一人でしろ。」
ユヅキ
「やったー!ありがと、サスケ‼︎」
それからバレないように病院へ戻った
でも………
戻ったと同時に誰かが部屋に入ってきた
ユヅキ
「あ、あなたは確か……。」
白髪に斜めの額当て、顔の下半分を覆う黒マスク
カカシ
「オレのこと覚えてたの。いやー、嬉しいね。で、どこ行ってたのかな?」
笑顔なのにこの威圧感……
ユヅキ
「か、カカシさん…。」
奏多はというと、猫の姿で、私の腕の中ですやすやと眠っている
カカシ
「…その猫、どしたの?」
ユヅキ
「えっと…。抜け出した時に、見つけて…。えっと…、」
カカシ
「野良猫?」
ユヅキ
「いえ、違います。元から飼ってて、あの事件以来どこかにいっちゃってたみたいで…。」
嘘ついてすみません、でも、あまり言えないんです
カカシ
「そう、それは良かったね。でも、だからって病院を抜け出すのは感心しないなぁ。」
ユヅキ
「以後、気をつけます…。」