第5章 二人の決意
•ユヅキside
私は長い夢を見た
イタチ兄さんの事実とも呼べる様な内容のもの
兄さんの今までの記憶を全て傍観した
そして記憶が終わると同時に目の前が真っ暗になって、
奥から兄さんが現れた
イタチ
「すまなかった。弱いオレを許してくれ。」
兄さんは悲しそうな顔して言った
ユヅキ
「謝らないで、兄さん。兄さんは何も悪くないよ。だから、私は責めたりしないよ。」
そう、ようやくわかった
これは、兄さんが私にかけた幻術の世界
その中に今、私はいるんだ
イタチ
「自分勝手ですまない。ただ、お前にだけは知っていて欲しかったんだ…。また、お前に重荷を背負わせてしまうな。」
兄さんは自重気味に笑う
ユヅキ
「! そんなこと!」
「ない」って言おうとしたのに兄さんが止めた
イタチ
「でも、安心してくれ。オレが生きている限りお前たちは里の者から殺されはしない。」
それは先ほど見た兄さんの記憶と関係があるのだろう
イタチ
「最後に…。」
そう言って兄さんは私を優しく抱きしめた
イタチ
「しばらく会えなくなる…少し寂しいな……。」
ユヅキ
「兄さん……。」
自然と溢れそうになる涙を必死に隠した
イタチ
「大丈夫だ。そのうち会いにくるさ。だから、それまでに強くなっていろよ。サスケは頼んだぞ。」
そう言って兄さんは消え、幻術が解かれた
それと同時に目が覚めた
横には誰かが俯いて座っていた
思わず兄さんに見えて、
ユヅキ
「兄さん‼︎」
そう叫んで、起き上がった
でも、兄さんじゃない
サスケ
「‼︎ ユヅキ⁉︎やっと……。」
サスケの顔はいつもの元気な顔じゃなくて、なんだか複雑そうな顔をしていた
ユヅキ
「サスケ…その包帯どうしたの?」
私はサスケの腕を見て言った