第5章 二人の決意
•サスケside
ユヅキに腕の包帯の事を聞かれて少し焦った
サスケ
「………これは…。」
オレが何て説明すればいいのかわからなくって、口ごもった
ユヅキ
「言いたくないなら言わなくていいよ。」
ユヅキは笑ってそう言った
その時、ユヅキのことがすごく遠い存在に思えた
オレたちは双子なのに、生まれてからその差は広がり続けてて、縮まることはない
微塵もない
オレは自分に嫌気がさした
だから、ほぼ全てをユヅキに話した
サスケ
「兄さん……、イタチだ…イタチがやったんだ……。」
あの日の事、全部
一族のことも、父さんと母さんのことも、兄さんが里抜けしたことも、全部話した
話し終わった時、オレは息が上がりきっていた
サスケ
「ハァ……ハァ……。」
ユヅキ
「大丈夫?顔色が……。」
ユヅキはオレの顔に触れようとした時、
サスケ
「大丈夫だッ‼︎」
オレは無意識にユヅキの手を払った
ふと我に返って気付いた
心配してくれてるユヅキの手を叩いて拒んだ…?
ユヅキ
「大丈夫ならいいよ。サスケ」
そう言って、ユヅキはベッドから降りて、俺の後ろに回った
そして
ユヅキ
「泣いてもいいよ。ここには私しかいないから。」
ユヅキは後ろからオレを抱きしめていた
オレは涙が一粒出た
ユヅキはオレの頭を優しく、優しく、なでた
ユヅキ
「よしよし。」
ユヅキの温かい手は、オレの張り詰めた心を休ませた
涙が溢れてくる
ごめん……オレが弱いから……
ユヅキも苦しい筈なのに………
ユヅキは兄さんに首を絞められたんだ
殺されかけているんだ……
なのに………
どうしてユヅキはそんなに落ち着いてるの……?