第5章 二人の決意
•イタチside
俺はユヅキのいる自室から出て、玄関へ向かう
そして玄関で靴を履いていると、
サスケ
「兄さん…。」
後ろにサスケが立っていた
サスケ
「今日、手裏剣術の修行につき合ってよ……。」
最近はサスケとも話す時間が少なくなり、放置気味になってきている
イタチ
「………オレは忙しいんだ。父上にでも教わればいいだろう。」
サスケ
「だって…手裏剣術なら兄さんの上手だって……子供のオレでも分かるよ。………兄さんはそうやっていつも オレを厄介者扱いする。」
そう言ってムスっとした顔をするサスケ
そんなサスケにオレはこっちに来いと手招く
サスケは黙って寄ってきた
イタチ
「許せサスケ……。」
オレはサスケの額を指で小突いて言った
イタチ
「………また今度だ。」
今度なんてないことくらいわかっていた
でも、サスケを突き放すことができなかった
サスケは不機嫌な顔をしてオレを睨んだ
イタチ
(すまない、サスケ。)
「…今日はお前に構っている暇が無い。」
オレはゆっくりと立ち上がる
サスケ
「いつもいつも“許せサスケ”って額こづくばっかりで……
それに“今日は”っていつも見てくれないくせに…。」
サスケに背を向けて立っているのに、サスケの今の顔が簡単に想像ついた
そしてオレは扉を開けて、家を出た
すまない
ユヅキ、サスケ、お前たちの幸せを奪い取る兄で……