第4章 救いと願い
そして、家に着いた
イタチ
「ただいま帰りました。」
イタチの後に次いで、恐る恐る家に入った
ユヅキ
「た、ただいま……。」
居間にはフガクがいて、新聞を読んでいた
イタチ
「父さん、ただいま。ユヅキがやっと帰ってきたんだよ。」
フガクはイタチの方へ顔を向けた
フガク
「…………。」
少しユヅキを見て、何も言わずまた新聞を読み始めた
フガクの行動により、部屋内は凍りついたようになった
イタチ
(攫われていた娘が帰ってきたのに、何もないのか……。)
「行こうか、ユヅキ。」
ユヅキ
「う、うん。」
イタチに手をひかれ、部屋から出た
イタチは自室にユヅキを連れて行った
部屋につくと、イタチは扉を閉めて、膝立ちしてユヅキの肩を掴んだ
ユヅキ
「兄さん?」
イタチ
「ユヅキ。できる限りこの部屋で過ごすようにした方がいい。それ以外はサスケと一緒にいろ。」
イタチは顔は真剣そのもので、ユヅキは頷いた
ユヅキ
「うん。」
ユヅキの返事を聞き、イタチは表情を緩めた
イタチ
「よし、約束だ。ほらっ。」
ユヅキに小指を立てて手を前に出すイタチ
ユヅキはイタチの小指に自身の小指を絡めて
ユヅキ
「うん、わかったよ。」
それから一緒に家を出て、森へ行った
イタチ
「どうだ?久しぶりに身体を動かすのは。」
ユヅキ
「そうだね、変な感じかな……。」
イタチはユヅキの力を計るために手裏剣を投げさせていた
イタチ
「的には全て当たっているぞ。」
そう言ってイタチはユヅキの投げた手裏剣を回収して、次の的を作る
的といってもそこらに生えている木にバツ印を付けているだけだ
それでも、ユヅキはそのバツ印の交点を正確に射止めていた
イタチ
(………。昔に比べると随分と腕が上がったな。もう少し的を増やしてみるか。)
そんなことを繰り返していると、気付けば的は30を遠に越えていた