第4章 救いと願い
それから数日が経ち
身体に異常はないと、ユヅキは病院を退院した
今はその家への帰り道
いるのはユヅキとイタチとミコトの3人
ユヅキ
「………。」
家に行くにつれ、少し沈む気持ち
里に帰ってからろくに父のフガクとは話せていなかった
それもそのはず、フガクは一度もユヅキの病室に来なかったからだ
ユヅキ
(父さんは私をいない者とするのだろうか……。それとも昔の様に……。)
ユヅキの心は不安でいっぱい
その時、そっとイタチはユヅキと手を繋いだ
そしてイタチは耳元で囁く
イタチ
「心配しなくてもいい。オレがいる。」
そう言って、イタチはユヅキに向かって笑った
その笑顔をみて、ユヅキは少し頷いた
少し前の方を歩いているミコトが振り向いて言った
ミコト
「今日の晩ご飯、ユヅキは何が食べたい?」
ユヅキはミコトを少し見てからイタチの方を見た
イタチ
「?」
ユヅキ
「兄さんの好きなもの。」
ミコト
「イタチの?」
ユヅキの発言にミコトもイタチも驚いた
イタチ
「どうしてなんだ?」
ミコト
「そうよ。あなたの退院祝いなのよ?」
ユヅキ
「ダメ?じゃあサスケの好きなものでいいよ。」
ミコト
「もぅ、昔から変わらないわね。じゃあ、二人の好きなものにしましょうか。」
ミコトの一言にユヅキは喜ぶ
ユヅキ
「やったね、兄さん。」
イタチ
「あ、あぁ。」
イタチは言葉の意味はわからないが、ユヅキの喜ぶ姿が微笑ましかった
イタチ
(このままずっと笑顔変わらない笑顔でいてくれ……。)
イタチはそう願い続けた