第4章 救いと願い
ユヅキが眠りに落ちてからしばらくした頃
イタチは何かを持って病室に戻ってきた
イタチ
「ユヅキ?」
静かな病室で異様に膨らんでいる布団
ユヅキは普通に寝ていた
だが、どう考えてもユヅキともう一人いた
イタチ
(誰だ?)
そっと、布団をめくってみると
そこには安らかな表情で眠るサスケがいた
イタチ
(何故サスケがここで寝ている?…………ユヅキか。)
何かを察したイタチ
イタチ
(……サスケのこんな表情久しぶりに見たな……。ユヅキもだ……大蛇丸の事があったんだ、夢の中だけでもせめて良い夢を……………。)
ユヅキの頭を少し撫でようと手を近づけるとユヅキが目を覚ました
ユヅキ
「あれ?兄さん…。」
ユヅキが声を出すと、イタチは口に手をあて「しずかに。」と言い、サスケを指差した
理解したユヅキは首を縦に振り、イタチは指を下ろした
そして小声でユヅキをベッドから下りるように言い、鏡の前に連れてきた
イタチはユヅキを鏡の前に座らせ、後ろに立った
イタチ
「一応、バレない様にと思って買って来たんだ。」
そう言って持ってきた物を見せる
それは白いマフラーと、右眼用の黒い眼帯だった
イタチ
「眼帯はオレと二人の時以外はとらない様にしていろ。」
イタチは手慣れた手つきでユヅキに眼帯を付ける
ユヅキ
「うん。とらなければいいんだよね。」
イタチ
「そうだ。父さんと母さんにはバレない様に注意したほうがいい。」
ユヅキ
「どうして?」
イタチ
「お前の為だ。あとは、首の呪印だ。包帯を巻いて隠しているが、そのうち不自然に思われるだろう。そのためにもマフラーを買ってきたんだ。今のうちから付けておいた方がいいからな。」
ユヅキの首に白いマフラーを軽くまく
イタチ
「よし。いつもマフラーと眼帯は忘れずにつけていろ。」
ユヅキはバレた時の事を考えると不安だったが、それよりも今は、イタチからのプレゼントに嬉しさを感じていた