第4章 救いと願い
ユヅキが一度目を覚ましてから2時間後、イタチはユヅキの病室を訪れていた
イタチ
「……。」
何も言わずにそっとユヅキの手を握り続ける
ユヅキが一度目を覚ましたことを、ミコトから聞いていたイタチは、ユヅキが一刻も早く目覚めることを望んでいた
ユヅキはしばらくしてから目を覚まし、その望みは叶った
ユヅキ
「………。」
ただただボーッとしているユヅキに声をかける
イタチ
「ユヅキ……。」
イタチの声に反応し、イタチの方を向いたユヅキ
ユヅキ
「にぃ…さ…ん?」
寝起きのためか上手く声が出ず、小さい声で話す
イタチ
「よかった……。」
イタチがそっと呟く、それと同時に肩の力が抜けた
ユヅキは起き上がり、ベッドの上で座った
ユヅキ
「夢じゃない…の……?」
イタチの握っている手に、上から優しく触れるユヅキ
イタチ
「あぁ、夢じゃない。お前は帰ってきたんだ、木ノ葉の里に。」
その言葉を聞き安心したのか、ユヅキは涙を一粒流す
ユヅキ
「よかった……。」
(私は兄さんを殺してなかった……。本当によかった。)
その様子を見て、イタチはベッドに軽く腰掛け、ユヅキ抱き寄せ、優しく頭をなでた
ユヅキ
「助けてくれてありがとう、兄さん。本当に……。」
すすり泣きながらお礼を言うユヅキ
妹の無事の帰還に嬉しい気持ちが込み上げるイタチ
二人はしばらくそのままだった