第18章 里抜け
奏多
「ユヅキにとって家族、とりわけ兄弟であるイタチとサスケは何物にも代えられない大切なもの。その2つともが傍にないユヅキは不安定だ。あの時と変わらない程に。だから、言っている。ユヅキのためにこの里を離れ、旅に出る。」
奏多の説明に綱手は黙って聞いていた
綱手
「それは辛いことから逃げるのと変わらないんじゃないのか?」
奏多
「辛さに慣れる為にこそ里から離れるべきだ。今のままここにいればイタチがいなくなった時、サスケに依存したように、今回はカカシに依存する。それでは2人の存在から逃げるだけで根の解決にならない。」
綱手
「お前の考え方なら、里を出ればそれがお前に変わるだけじゃないのか?」
奏多
「…それはない。ユヅキはオレにはしない。ユヅキがオレに抱く感情はユヅキ自身に抱いている感情とほとんど変わらない。もういいだろ、ユヅキは連れて行く。」
そう言って綱手を強い眼差しで奏多は見た
綱手
「はぁ…。わかったよ。許可する。ただし任務で、だ。任務の内容に関してはユヅキが目覚めてからだ。」