第18章 里抜け
サスケが里を抜け、3日が経過した
カカシはあの後即座に任務で里を出て行きまだ戻っていない
ナルトはサスケと戦った際の傷の療養で病院に入院
サクラは綱手に弟子入りし、第七班は見事にバラバラになっていた
そしてその間、ユヅキは家から出ることがなく、ただただ窓の外をぼーっと眺めているだけだった
そんな状態に奏多もどうすればいいのかわからないでいた
ユヅキ
「…ぃ、…ん……」
奏多
「ユヅキ?」
ユヅキが聞き取れないような小さな声で何かを呟いたが、奏多には聞こえず、聞き返す
それでも返事が返ってくることはなく、ユヅキの方へと近寄ると、ユヅキは気を失っていた
直感的に危険であると感じた奏多は、病院へと連れていった
すぐさま入院となった
奏多
「…」
ユヅキの手を取り、祈っていると綱手が入って来た
綱手
「…お前、確かユヅキが飼ってる猫なんだっけか?」
綱手の問いに奏多は頷く
綱手
「私はユヅキの専属医であり師匠でもある綱手だ。話は聞いているんだろう?」
首を縦に動かす奏多、その様子を見て綱手はユヅキの状態について話し始めた
綱手
「サスケの件があってからどうやら何も飲まず食わずだったみたいだね。そりゃ、倒れて当然だ。まあ精神的に来ているところもあるだろうが、しっかり食うようにお前からも言っといてやってくれ。あと、退院したら来るようにもな」
奏多
「ちょっと待て。ユヅキの体調が戻り次第、この里から出て旅をしようと思っている」
綱手
「なんだ、喋れるんじゃないか。で、どういうことだ?」
奏多
「ユヅキはここにいると壊れてしまう。だから遠くへ行く。許可しろ」
綱手
「…。お前、頼み方ってのを知らないのかい?」
奏多
「知らない。頼んだつもりはない、命じてる」
綱手
「…なかなか肝が据わってるじゃないか。だがね、口の利き方には気をつけな。私はそこまで穏やかな方じゃないんだ」