第18章 里抜け
ユヅキside
ユヅキ
「っ涙、止まんないなぁ…」
私は止まらない涙を他所にナルトくんを手当てし始めた
雨はより一層強くなっていった
カカシ
「ユヅキ…」
(サスケはダメだったか…)
私の後ろにはカカシさんが立っていた
ユヅキ
「ごめんなさい」
カカシ
「間に合わなくて…済まなかったな…」
ユヅキ
「いえ…、私は止められませんでしたから…。」
それ以上に言葉が出なかった私は下を向いて黙り込んだ
カカシさんも何も言おうとはしなかった
ナルトくんの手当てが軽く終わった時、ようやくカカシさんが口を開いた
カカシ
「帰ろう…」
ユヅキ
「…」
言葉が出なかった
カカシさんはナルトくんを背負い、私の手を取った
カカシ
「…話ならいつでも聞くからな…」
その言葉に何か救われたような気がして、また涙が止まらなくなった
せっかく涙と一緒に雨も止んで光が差して来たのに、これじゃ、泣いてるのわかっちゃうじゃない…
ユヅキ
「…っはい…。」
それでもカカシさんはそれ以上には何も言わなかった
途中、合流した医療班の人達によると、みんな怪我が酷いということしか今の私には理解が出来なかった