第16章 本戦と木ノ葉崩し
戦いから二日後、雨の中も三代目火影猿飛ヒルゼンの通夜が行われていた
誰もが暗い顔をしていた
ユヅキ
(三代目様にはとてもお世話になったのに何もすることができなかった…。この人がいなければ私は大蛇丸にとらわれたままだったっていうのに…肝心なところでいつも何もできない、それどころか恩人より弟を優先させていたんだからどこまで行っても救いようのない私…。兄さんの時と同じことを繰り返してる。あの時から一つも成長してない…。)
ユヅキの心はひどく責任感に駆られていた
ナルト
「なんで人は、人のために命をかけたりするのかなぁ…。」
前にいるナルトがふとイルカに問いかけた疑問にユヅキはわかるようなわからないような不思議な感情がうずまいていた
イルカ
「人間が一人死ぬ…たくさんの人が任務や戦争で死んでゆく。それも死ぬときは驚くほどあっさりと…簡単にだ。両親兄弟友達や恋人里の仲間たち、自分にとって大切な人たち…、互いに信頼し合い助け合う。生まれ落ちた時からずっと大切に思ってきた人たちとのつながり…。そのつながった糸は時を経るに従い太く力強くなっていく。理屈じゃないのさ!」
ナルト
「うん。…なんとなくはオレにもわかるってばよ。でも…、死ぬのはつらいよ。」
ユヅキ
「…。」
ユヅキは自然と目線が下がっていく
カカシは隣にいるユヅキの手を取った
カカシ
「三代目だってただで死んだわけじゃないよ。ちゃんとオレ達に大切なものを残してくれてる…。」
ユヅキ
(火の…意志、か…。私にそのような大それたものがあるのだろうか…。)
ナルト
「?」
カカシ
「ま、いずれお前にもわかるようになるさ。」
ナルト
「うん!それもなんとなくわかるってばよ…。」
まもなくして葬式は終わり、その場で解散となった
サスケに帰ろうと声をかけられたが、ユヅキは一人になりたいとふらふらと消えていった