第16章 本戦と木ノ葉崩し
ユヅキside
次はサスケと我愛羅くん
サスケはカカシさんとともに派手に登場して少し呆れてため息が漏れた
でも、このあとなんだ…
試合が始まると私の時同様に我愛羅くんの謎の会話が始まっていた
それが収まった時、二人は動き始めた
サスケは体術を重点的に修業したみたく、動きがよくなっていた
我愛羅くんもさすが、としか言いようがない
私の時もだったけど、あれだけの砂を動かすのって多量のチャクラがいるはずなのに、息も上がらないし一歩も動かなかった…
まあ、私の場合は戦ったわけじゃないけど
サスケが押しているように見えたが、我愛羅くんが砂の中に閉じこもってしまった
その時ナルトくんが走ってきてカカシさんに試合を止めるように言い出したが、カカシさんにはまだ何か策があるようだ
そして、サスケはその策を実行するために壁の中腹でしゃがみ込み腕を押さえていた
目に見えるほどのチャクラがサスケの腕にまとわりついている
あの技…波の国の時にカカシさんが使ってた
カカシさんの技を教え込まれたんだ…
ユヅキ
「羨ましいな…」
(私、今なんて…。)
思わず口から出ていた言葉に自分でも驚いた
何に対してそう思ったんだろう…?
サスケの成長に対して?
カカシさんに修業をつけてもらっていたことに対して?
それとも…
私が考え込んでいる間にサスケが我愛羅くんの入っている砂の防御壁に突っ込んでいって、腕を思いっきり差し込んだ
そして、我愛羅くんの悲鳴が上がったのと同時にサスケに異変が生じた
砂の防御壁に差し込んだ腕を抜いたサスケ
その腕は何かに掴まれていた
不気味な、何か、わからない得体の知らないそれはサスケの腕を離すと、我愛羅くんの砂の防御壁に消えた
その直後、悪寒がした
強い殺気に当てられているかのようだった