第15章 中忍選抜第三次試験
ユヅキ
「ただ、私はあなたの闇を払いたい。そして、救いたい。」
そう述べたユヅキに我愛羅はぼんやりとしていた
我愛羅は少しの夢を見た
それはユヅキに触れた一瞬のことだったが、ユヅキのこれまでの全てが頭に流れ込んでくるような感覚に陥った
その中で一番記憶に残ったのは暗闇の中で泣き噦るユヅキの姿だった
我愛羅
(オレもあいつのように前を向いていけたら…)
体にユヅキの温かさを感じて、少しずつ気が和らいでいった
抱擁をやめ、ユヅキは我愛羅の肩を掴んで、まるで親が子供を諭すかのように言った
ユヅキ
「あなたは優しい人だから…。変わることができたらみんなが付いてきてくれるはず…。1人じゃないよ。今は私しかいないけど、仲間は増やすことができる!それはナルトくんを見てたら思うんだ‼︎だから、変わろう!」
ユヅキの言葉に戸惑いを少し見せながらも、一応は理解しているようで、我愛羅は小さく礼を言った
我愛羅
「ぁ、…感謝する。」
ユヅキ
「どういたしまして。」
ユヅキは我愛羅に笑みを向けて、一瞬にしてその場を後にした
残された我愛羅はユヅキの立っていた場所をしばらく眺めてから上を見上げた
空は青く澄み渡っていた
我愛羅
「変わりたい…」
小さく呟いたその声は刹那、風に吹かれ舞い上がっていった