第15章 中忍選抜第三次試験
それから二日後の夜
ユヅキは奏多を連れ、うちはの領地へと足を運び、昔を思い返していた
奏多
「辛くないのか」
ユヅキ
「どうなんだろう?自分でもわからないよ。全部私が止めるだけの力がなかったからね。」
奏多
「それはユヅキが死ねばよかったという意味か」
ユヅキ
「あの頃はまだ死ぬことに怯えていた子供だった。」
奏多
「今なら出来ると?」
ユヅキ
「大切な人を守るためならなんだってできるよ。」
奏多
「本気、みたいだな」
ユヅキ
「うん。着いた。」
昔住んでいた家の前で立ち止まり、家を眺めていた
奏多
「入るのか」
ユヅキ
「少しだけ。」
中へと足を進め、兄の部屋に入り、ベッドに座る
窓からはきれいな満月が輝いていた
ユヅキ
「今日は満月か、眠れそうにないなぁ」
奏多
「今日だったのか」
ユヅキ
「うん、もうすぐだよ。」
奏多
「助けないのか」
ユヅキ
「助けたい。だから忠告はした。私が行ってはカブトの思うとおりになってしまう。それにサスケを危険な目に合わせてしまうもの。」
奏多
「そうか」
それっきり2人は言葉を交わすことなく夜が明けるまでずっと月を眺めていた
夜が明けるとユヅキは立ち上がる
ユヅキ
「行こうか。」
ユヅキは窓から外へ出て、里中を回った
そしてようやく桔梗城の傍らで見つけた
月光ハヤテはもう息絶えており、周りにはカラスが群がっていた
ユヅキはカラスを追い払い、ハヤテに向かって膝をつき頭を下げた
ユヅキ
「ごめんなさい、何もできなくて。でも、あなたの死は無駄にはしません。」
ユヅキは頭を上げ、ハヤテの額に手を当てた
しばらくして、ユヅキは火影へと連絡をした