第14章 中忍選抜第二次試験
•ユヅキside
サスケの声がする…
兄さんの声も…両親の声も聞こえる
でも、真っ暗で誰もいない
そう思っていたのに、背後に気配を感じた
振り向くとそこにいたのは
イタチ
「ユヅキ。」
兄さんだった
イタチ
「こっちにおいで。」
手招きする兄さんに私は昔みたいに嬉しくなって飛びついた
ユヅキ
「本当に兄さんだ…」
そう不意に呟いた私を兄さんは目を細めて笑っていた
イタチ
「何を企んでいるんだ?ユヅキは。サスケとまたイタズラする気なのかな?」
ユヅキ
「違うよ!だって兄さんは…」
イタチ
「オレは?」
ユヅキ
「里を抜けたじゃない…。なんでここにいるの?父さんや母さんも…死んでしまったのにどうして?」
サスケ
「何寝ぼけたこと言ってんだ。おかしなユヅキだな。」
サスケは笑いながらそんなことを言う
ユヅキ
「どうして!サスケは…。」
イタチ
「もういいよ、ユヅキ。悪い夢でも見たんだろう。怖かったな…。だが、もう大丈夫だ。」
兄さんは私を優しく抱きしめる
ミコト
「そうよ、ユヅキ。全部夢だったのよ。」
フガク
「ふ、ユヅキはまだまだ子供だな。」
隙間から見える両親の顔は笑っていた
そんな顔じゃない
いつも私を見なかった父さんや表面的な接し方しかしなかった母さんはそんな顔しなかった
ユヅキ
「ちがう!ちがうよ‼︎こんなの夢だ、」
叫ぶ私に兄さんは離れ、両親は血を流し倒れていた
サスケはそんな両親をみて気絶してしまった
イタチ
「お前が気付かなければ、お前の望んだ世界を見続けることができたのにな。」
ユヅキ
「兄さんはもう私のそばにはいないよ。」
イタチ
「いや、いるさ。オレはいつでもお前を見守っている。」
兄さんはそう言い残して消えてしまった