第12章 一刻の夢
一言謝るととユヅキはゆっくりと眠りについてしまった
ずっと繋いだままの手
サスケはユヅキに関することを考え始めたら眠れなかった
ユヅキは誰に攫われたのか
ユヅキの隠れた眼はどうなっているのか
昔は強かったユヅキが弱い理由
アイツが何故ユヅキの首を絞めたのか
サスケ
「…くそっ。」
いくら考えてもまとまらない自分の考えに腹を立てた
せっかく話を聞けるチャンスを棒に振ってしまったことに少し後悔しながらも、ユヅキのためを思うならよかった事なのだろうかと頭を悩ませる
サスケ
「オレに力があれば…」
(ユヅキを守れるのに。)
自分には力が無いと逃げてばかりのサスケはもう逃げたくなかった
波の国でのナルトの成長を目の当たりにして、少し焦っていた
そんな時にユヅキの告白
サスケ
(オレには力がいる。ユヅキを余裕で守れるくらいの…。)
サスケは寝ているユヅキに小さな声で話しかける
サスケ
「ユヅキの為にもっと強くなるからさ、オレにユヅキの全部、教えてくれないか…?」
(全部背負ってやる、だから少しは重荷を下ろせ。全部が悪い夢だったかのように消してやるからよ。)
サスケは握っている手に力が入る
サスケ
「オレがアイツからお前を守れるように…。」
そういいながら窓の外を見つめた
次の日、カカシが単独任務に出ているため休みだった
朝早くに目が覚めるサスケとユヅキ
サスケの提案により今日1日修業をする事になった
ユヅキ
「やっぱりサスケは強いね。」
嘘だ、サスケは直ぐに思った
サスケ
「お前の方が強いだろ。」
ユヅキ
「強くなんてないよ。」
ユヅキの即答にサスケは違和感を覚える
2人は話しながら、手合わせを何度も繰り返した
ふと気付く、ユヅキは手加減しているのだと
サスケはそれに何故とは問えなかった
また昨晩のようになってしまう事を避けて
こんな事を考えてる余裕があって、なおかつユヅキに勝てる
ユヅキの強さはどこへ行ってしまったんだろうか
サスケは問いたい衝動を抑えるのに必死だった
サスケ
「1度休むか。」