第12章 一刻の夢
カカシは部屋を出て、その場にしゃがみ込んだ
その顔は真っ赤
カカシ
「何言っちゃってんのよ…オレ。」
どうやらユヅキにとった行動を思い返して悶えている様だ
一方、ユヅキもカカシが部屋から出た途端、顔を真っ赤にして両手で覆っていた
ユヅキ
「どこまで…私を狂わせたら気が済むんですかッ…。」
ユヅキはカカシの至近距離にいたため、必要以上の言葉も聞こえてしまっていた
ユヅキ
「わかってるんですか…?心の声、すごく聞こえてくるんですよ…。少しぐらい他の事も考えていてくださいよ…」
私きっとカカシさんのこと好きなんですよ?
最後の言葉もカカシにはまだ届かない
一呼吸おいてカカシの寝室を出た
ユヅキ
「荷物とか、それほど多くないので楽ですね。」
それもそのはず、ユヅキは必要最低限しかカカシの家に持って来なかったのだから
サスケがユヅキのものに一切手をつけていなかったという点もあり、サスケとの家にたいていのものはまだあった
荷物の整理はすぐに終わった
ユヅキ
「さてと、そろそろお暇しますね。」
ユヅキは荷物を両手に抱えて、玄関に立った
カカシ
「あぁ、荷物持ってくよ。」
ユヅキ
「重くないのでいいですよ?」
カカシ
「いいの、オレがやりたいんだよ。」
ユヅキ
「じゃあ…、お願いします。」
ユヅキは荷物をカカシに渡し、一緒にサスケのところへ向かった
ユヅキ
「サスケに怪しまれませんか?」
カカシ
「ま!途中で会ったことにすれば大丈夫でしょ。」
楽しく喋っていたら家についた
ユヅキはインターホンを鳴らすとサスケは飛び出してきた
サスケ
「ユヅキ‼︎…って何でアンタがここに?」
やっぱり怪しんでる、と心の中で少し笑っているユヅキ
カカシ
「偶然会ったんだよ。重そうな荷物持っていたからね、手伝ってるのよ。」
にこにこしているカカシ
それを見て、その笑顔は不自然なのでは?と思うユヅキ
カカシはサスケに持っていた荷物を渡し、じゃあと言って去っていった
ユヅキはその背中に向かって、ありがとうございました。と笑顔で叫んだ