第12章 一刻の夢
•カカシside
オレはユヅキの方を向くと同時に横になっていた身体を起こし座った
やっぱりオレの思った通りの顔してた
カカシ
「その様子じゃ、何でサスケの所に戻されたのかもわかってるみたいだな。」
ユヅキ
「はい。サスケは私が死んでも止めます。」
そう言ったユヅキの手はグッと強く握り締められており、決意の重さが感じられた
またこの子は…
おいで、と手招きをして、ユヅキをベッドに座らせ、オレはその隣に座り直し、優しくその手に自分の手を重ねた
カカシ
「少しは自分を大切にしなさい。」
真面目過ぎたか?
ユヅキ
「大切にはしています。でも、それ以上に大切なモノが存在するんですよ。」
綺麗な笑顔を見せるユヅキ
折角、真面目に話そうと思っていたのに、ユヅキに釣られてオレまで少し微笑んでしまう
カカシ
「お前ならそう言うと思ってたよ。」
知ってるよ、お前がとても優しいことなんて
ずっと昔に知ってんだ
出会ったあの日から、ね?
あの時だって自分よりサスケやイタチを気遣い、初対面のオレにまで気遣ってた
そんなところも好きだけどね
いつだってオレが望むのは、お前の幸せだけだよ
言いたいこと全部、心の中に仕舞い込んで、そっとユヅキの頭を撫でた
ユヅキ
「? カカシさん?」
急に頭を撫でられ、不思議に思ってる様だ
カカシ
「いざって時は、頼ってきてね。一応、先生でもあるからさ?」
いざって時じゃなくても頼っていいんだからな?
カカシ
「さ、荷物取りに来たんだろ?早くしないとサスケが待ってるぞ。」
頭を撫でるのを止めて、ポンと頭に手を少し置いて、立ち上がり、部屋を出た