第12章 一刻の夢
一方、執務室を出たユヅキはサスケの所に向かった
サスケは家にいた
インターホンを鳴らすとサスケが出てきた
ユヅキ
「サスケ、今日からまた一緒に暮らせるよ。」
サスケ
「本当か?」
ユヅキ
「うん。本当だよ。ダメかな?」
申し訳なさそうな顔をするユヅキ
サスケ
「いや、ダメじゃない。むしろ!」
嬉しい、そう言おうとして止めた
ユヅキ
「むしろ?」
サスケ
「いや、何でもない。とりあえず、片付けるから手伝って。」
そう言われ、ユヅキは部屋の中へと入った
部屋は片付けるという程散らかっておらず
ユヅキが出て行く前と何ら変わりはなかった
ユヅキ
「私の部屋、ずっとそのままにしてくれてたの?」
サスケ
「時々しか掃除する暇はなかったけどな…。」
それでもユヅキの部屋だった所は埃一つなかった
サスケ
「埃が無いとはいえ生活するにはまだ汚いからな。早く始めるぞ。」
気付けばサスケの手には濡れた雑巾が2枚、ユヅキは1枚受け取って早速掃除に取り掛かった
1時間後、すっかり綺麗になったその部屋を出て、ユヅキはカカシの所に向かった
カカシの家は鍵がかかっておらず、そのまま入った
ユヅキ
「カカシさん?いないんですか?」
カカシ
「…いるよ」
小さく聞こえたその声はカカシの寝室からだった
行ってみると、布団に包まるカカシの姿
ユヅキ
「どうしてこんな時間に寝ているんです?」
少しずつ距離を詰めていった
カカシ
「明日朝早くから任務なんだよ。」
オレ1人だけどね、と呟くカカシ
ユヅキ
「もしかして、私が勝手に決めた事怒ってます?」
カカシ
「………怒ってない。」
ユヅキ
「何ですか、その間」
カカシ
「少し、ほんの少しだけ落胆してる。」
ユヅキはカカシに落胆?と尋ねた
カカシ
「そう、落胆。告白したし、サスケよりもオレを選んでくれる事にかけたんだけどなぁ…。」