第11章 護衛任務
•ユヅキside
千本を全て抜き、止血の終わったサスケは身体が冷たいままだった
ようやく私の右の鎖骨下辺りにできた空洞に気づいた奏多
奏多
「すぐ、手当する」
必要ない、と奏多を止めた
ユヅキ
「サスケ……。起き、て…?死んで…ないよね?」
奏多
「ユヅキ、無理ダメ!」
ユヅキ
「奏多、ネコに…。サクラ、ちゃんが…くる。私は、サスケを……死なせない。」
ほんの少し使える医療忍術、それをサスケに使う
奏多……、悲しそうな顔しないで……
ユヅキ
「サス、ケ……。おねがぃ、目ぇ…さましてよ……。」
サクラちゃんがタズナさんと一緒に来た
サクラ
「ユヅキ…、サスケくんは?」
私はサスケのことに頭がいっぱいで、反応できなかった
サクラ
「うそ…。……冷たい。これはもう、幻覚じゃ…ないのね…。」
私の後ろに立っていたサクラちゃんは私の正面に座り込んで、サスケに触れて言った
サクラ
「ある日のテストでこんな問題が出たの…。“忍の心得第25項を答えよ”って…、それで私はいつものようにその答えを書いたわ。
“忍はどのような状況においても感情を表に出すべからず。任務を第一とし何ごとにも涙を見せぬ心を持つべし”って…。」
泣かないで…、私まで泣きたくなってくる
涙を我慢してサスケに医療忍術を施す
お願い…私を……一人ぼっちに、しないで……
もう…大切な人を……失いたくない
サクラ
「サスケくん…。…っく。うぅ…。」
タズナ
「…ユヅキ、無理するな」
ユヅキ
「無理…。私は、サスケを死な…せない。」
サクラ
「うぅ…、うっ……。」
サスケ
「サクラ…、重いぞ……。」
サクラちゃんはサスケの名前を叫び、抱きついていた
あぁ、よかった……
サスケ……