第11章 護衛任務
•カカシside
ふとユヅキを見たとき、彼女は唇を血が出る程に噛み締めていた
きっと、大蛇丸に捕らえられていた時のことを思っているのだろう
オレは唇から滴る血を優しく拭った
カカシ
「お前とは違う。あいつは殺しを楽しんでる。」
それでも、ユヅキの表情は複雑なままだった
カカシ
「あいつは自分の意志で殺してきたんだ。お前とは違う。」
どうにか今、目の前の状況に注意を向けて欲しかった
次の瞬間、サスケが再不斬にやられ、再不斬の足に踏まれていた
ユヅキ
「‼︎」
ようやく目が覚めたようにサスケの状況に目を向けたユヅキは殺気立っていた
いや、寧ろ危なかった
サスケのことで我を失いかけている
カカシ
「落ち着け!」
つい、怒鳴ってしまった
ユヅキ
「そんなこと言ってもサスケが‼︎」
ユヅキは意識して無いのだろうけど、目は写輪眼に変わっていた
カカシ
「写輪眼、出てるぞ。我を見失うな。こうなったらチャンスを待つしかない。」
そういうオレも余裕などあるはずもなく
ユヅキ
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。」
オレとユヅキはあいつらを見守った
ナルトは影分身をかなりの数を出していた
そして、サスケに風魔手裏剣を投げ渡した
サスケは受け取り、再不斬に向かって投げた
手裏剣は分身を通り過ぎ、オレたちの近くにいる本体の再不斬へと向かっていた
再不斬は手裏剣を掴んだが、影にも手裏剣があった
…これは影手裏剣の術‼︎
だが、再不斬はそれも飛んで避けてしまった
しかし、影手裏剣はナルトの変化だったようで、ナルトはクナイを再不斬に向かって投げた
その時ユヅキは背中の刀に手をかけていた
ユヅキ
「もうすぐ…」
再不斬はクナイを避けようとして、水の球体から手を抜いた
そして、水牢が解けていった
再不斬がまだ空中に浮いているナルトに向かって手裏剣を投げようと振りかざした
オレは素手で止めようとしたが、手裏剣が来ない
それは、オレの手の少し手前でユヅキが刀で受け止めていたからだった
ユヅキ
「素手で止めようなんて何考えてるんです?」