第1章 序章幕後
「正宗と一緒に働いてくれてる人達のために使ってるだけであって、正宗に使ってるわけじゃないんだからね」
何が悲しくて幼馴染みにお金を注ぎ込まないといけないのよ。
友人達と食事に行くようなレベルじゃないんだから。
「でもその新しい子、私もちょっと気になるかな」
「花子、手を出したら犯罪だぞ?相手は高校生だからな?」
「そういう気になるじゃないわよ!」
トイ☆ガンガンの三人目っていうので気になるだけに決まってるじゃない。
正宗があんなに楽しそうな顔で言う子なんだもの。
きっと、良い子なんでしょうね。
機会があったら会ってみたいな。
「さて、話しがそれだけならそろそろ帰ろうかしら」
「なんだ花子忙しいのか?」
「忙しいわけではないけどあまり長居すると、正宗と話したい他の子に申し訳ないでしょ」
私はここじゃなくても正宗と会えるし話せるけど、他の子はそうじゃない。
わざわざ正宗に会いに来る子だって大勢いる。
そんな子達を差し置いて私が正宗の時間を取るわけにはいかない。
「暇ならもうちょっといよーぜ?な?」
「暇なわけでもないんだけど・・・どうして?」
「たまには、花子を客としてちゃんともてなしてやろうかと思ってな」
珍しい。
客として扱われてないわけじゃないけど、顔見知りっていうのもあって少し違う。
私も正宗に完全なお客として接待されるのはむず痒い。
変な感じがする。
「新メンバーが入って相当ご機嫌みたいね」
「まあな」
「じゃ、たまにはお客として正宗にしっかりもてなしてもらおうかしら?」
私のその言葉を合図にして、正宗のスイッチが入る。
正宗も真面目にしてたらそこそこなのに。
結局その日は結構遅くまで居座ってしまい、普段よりも多めのお金を使ってしまった。
ま、でも久し振りに正宗の楽しそうな顔も見れたし。
トイ☆ガンガンの新メンバー加入祝いってことにしてあげましょうか。
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