第2章 chapter 2
「俊、どうしたの?」
次の朝、玲衣が心配そうに俊をのぞき込む。
「いや、昨日眠れなくて。寝不足。」
「どうしたの?考え事?」
「う、うん」
「大変だよね~文化祭の準備もあるしコンクールの練習も本格的になってきてるしテストももうすぐだよねぇ…はぁ、疲れる」
「玲衣もずいぶん大変だなぁ。」
「俊がいるから、大丈夫!忙しくなってもちゃんとデートしてね!」
いたずらっぽく笑う玲衣の表情に俊は罪悪感を覚える。
「ごめん」
「え?」
「あ、いや最近デートしてやれなかったし。今週末どっか行くか?」
「いいの?!やったー!!」
玲衣の嬉しそうな笑顔にさえ心が重くなる。
「あ、玲衣朝から嬉しそうだね」
そう後ろから来たのは京香だった。
「あ、京香おはよう!実はね~今週末俊とのデートこぎつけちゃった!」
「よかったね。最近デートしてくれないって悩んでたもんね」
「そ、そんなことないもん!!」
「そうだったんかよ」
「違う~!!」
「あ、俊おはよう」
「お、おはよう…」
少し気まずさを感じながら挨拶をする。
「あれ?京香目が腫れてるしなんだか赤いよ?泣いた?」
玲衣がそう言うと京香が急いで目を隠す。
「そんなことないって!」
「もー好きな人のこと?ちゃんと相談しなよ!」
京香はチラッと俊のことを見ると、玲衣に視線を戻す
「違うよ!大丈夫だから。気持ちだけもらっておく」
「もう~~」