第7章 chapter 7
次の朝。
「おはようー…」
教室に入るといつもと雰囲気が違った。
みんな、何かこそこそ話している。
中にはすごく騒がしい女子もいた。
「おはよー俊!」
「佐野、おはよう」
佐野はいつもの10倍はテンションだった
「なんか、どうしたの?みんなよそよそしいけど」
「ふっふっふ、聞いて驚くな。なんと!」
「京香と水輝が別れたんだって」
割り込んできたクラスメートの清の言葉に動揺して思わず椅子をつかみ損ねた。
「…俊大丈夫か?」
「き、今日はコンタクトの度があってないのかな~あはは」
誤魔化せてなかったが、清と佐野は話を続ける。
「これで気兼ねなく京香にアタックできる!」
「いや、そもそも付き合ってた時も普通にアタックしてただろ」
「僕はそもそも付き合ってる人に猛アタックして告白するのもどうかと思ったけどね」
清の言葉に少しドキッとした。
アタックに揺らぐ自分を思い出した。
「うるせー、元カレのことを忘れられない人をアタックせずただ見守ってる清もどうかと思うけどな!」
「…」
「清、まだ真緒のこと好きだったんだ」
「僕の話はいいから。」
清がそう言った瞬間ドアが開き、水輝が入ってきた。
目元が少し腫れている。
「水輝、泣いてたんだろうな」
佐野がそう言うと、次は予鈴が鳴った。
京香は休みのようだ。