第6章 Chapter 6
夜のコンビニ。
京香は夜のお菓子を買いに出かけた。
すると、空を眺める玲衣を見つけた。
「玲衣…?」
「き、京香」
少し慌てたような様子な玲衣
「なにしてるの?」
「京香こそ。夜だよ?」
「おなかすいたから買い出し。」
「そっか」
そう言うとまた空を見上げる。
「星見てるの?」
「うん。綺麗なんだよ」
「ほんとだ」
空には満天の星空。
星のひとつひとつが輝きを放っている。
「いやなことあると空見るの…」
玲衣の小声は京香の耳に届いた。
「…ごめんね」
「な、なんで京香が謝るの?」
玲衣は少し慌てた。
「佐野のこと」
「あぁ…あれは仕方ないよ。京香がそう仕向けたわけじゃないし」
「でも」
「しかたないよー。私には魅力がなかったってことだよ!ま、それで水輝フッてまで付き合ってたら絶交してたけどね!」
玲衣はいつも通りの元気な笑顔を見せる。
「じゃあ、俊のこと?」
京香が聞くと玲衣の表情が固まった。
「な、なんで」
「実鈴が言ってたの。俊が玲衣のこと怒らしたと思うって。」
「そっか…」
「あいつなにしたの?言ってみな!事によってはボコボコにするから!!」
京香の笑顔に玲衣は少し嫌気がさした。
あなたのせいでもあるんだよ、京香。
でも、なにがあったかわからないからあなたを責められない。
玲衣の心境は複雑だった。
「じゃあ、一つ聞いていい?」
玲衣の真剣な表情に京香は少し嫌な予感を感じた。
「な、なに?」
「水輝のこと、ほんとうに好き?」
京香は少しドキッとしてしまった。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
水輝。
好き、なのか。
放課後のあのときめきは『好き』かは証明しない。
でも…
「好きだよ」
京香は偽りの気持ちを言葉にした。
偽りの笑顔とともに。