第5章 chapter 5
「おはよう」
「水輝、おはよう」
朝、俊が歩いていると水輝がやってきた。
「玲衣は?」
「あっち」
俊が指した先には玲衣と玲衣の友人が笑いながら歩いている
「いつも一緒に登校してんのに、なんかあった?」
「いや、別に…」
俊は玲衣がただ照れてるとしか思っていなかった。
玲衣の悲しい心はただ俊の心を通り抜けていった。
「玲衣?なんかあった?」
「んー?」
「一回り雰囲気変わったし、なんか…寂しそう」
「寂しそう?私が?んなわけないじゃーん!」
玲衣は笑う。
でも、それは必死な笑い。
玲衣の心は穴が開いたように寂しい。
「大丈夫…だよ」
それを隠すようにまた笑う。