第4章 chapter 4
京香が俊と別れた後
京香の涙は絶えることなく、帰りの道ずっと泣いていた。
そんなとき、バイトからの帰りだった水輝と偶然にも出会った。
「あ、京香さん…」
「…」
薄暗かったため、あまり見えなかったが、水輝には京香が泣いているということがわかった。
「どうしたの?」
彼女はずっと無言で、そこに立っていた。
「家まで送る?」
水輝がそう言うと彼女はいきなり水輝の身体にうずまった。
彼女の涙が水輝の制服に滲みこむ。
「京香さん…?」
「好きです。」
彼女が口を開けた
「好きです…付き合ってください」
水輝には信じがたい言葉だった。
どうして彼女がそんなことを急に言いだしたのかもわからない
彼女の涙の理由さえもわからない。
それでも、水輝は
「俺でいいの?」
彼女がうなずく。
「なら…よろしくお願いします」
水輝が少し照れながら言うと京香は顔を上げて
水輝に口づけた。