第4章 chapter 4
「みーずき」
「玲衣?」
「へへっ。先生緩いから来ちゃった。俊は?」
「あれ?あ、そういえばさっきトイレに行くって…京香は?」
「おぉ。やっぱりだーいすきな彼女が気になりますかぁ?」
玲衣はいたずらっぽく笑う。
「別にそんな…」
「京香はどっか行っちゃったー!先生緩いからよく抜け出してるんだよね、あの子」
「いつものことってこと?」
「正解」
水輝の残念そうな表情を見て玲衣は慌てて
「もう!大丈夫だって!カレカノなんだから会いたい時に会えるって!」
「そうなの、かなぁ…」
「なんで?」
「なんていうかさ、付き合ってる感じしないんだよ。まぁ昨日付き合い始めたばっかりだからかもしれないけど」
「…どうしてそう思うの?」
水輝は少し考えると
「なんていうか…気持ちが俺に向いてない気がするんだよ。本当の好きな人は別にいるような感じがするっていうか…」
その言葉に玲衣は胸騒ぎを感じた。
「んーでも京香が好きでもない人と付き合うとは思えないけどな~昨日、なにがあったの?」
「なにがあったって」
「どういうなりゆきで付き合うことになったの?」