第4章 chapter 4
「俺にこんなこと言う資格がないのはわかってる。けど…」
「なんで水輝と付き合ってるかって?」
「うん…」
俊はドキドキしながら答えを待つ。
「水輝くんのことが好きだから…」
「うそだ」
「…」
京香の表情は沈んでいた。
「好きでもない奴と付き合うのかお前は?」
「仕方ないじゃん!!好きな人は叶わないんだから!」
「だからって妥協で好きでもない人と付き合うのか?」
「妥協じゃない…これから好きになればいいんだし…」
「好きになれなかったらどうするんだよ?水輝を利用しただけになる。あいつを悲しませることになる。」
「悲しませてるのはどっちよ。玲衣だってこのこと知ったらどれだけ悲しむか…」
京香の反論に俊は詰まる。
「そ、それは…」
「両方手に入れるなんてムリなの!!どっちかを手に入れるならどっちかを捨てて。男ならビシッと決めて」
「選べ…ない。玲衣のことも京香のことも好きだ。」
「サイッてー。私と玲衣の気持ちも考えてよね!」
京香はそう言って去って行く。
なにも言えなかった俊は床に座り込む
「…気持ちか」