第3章 chapter 3
「あぁ~!!もう帰らなきゃ!どんだけかかってんのよもう!」
「うるせーな」
「早く、行くよ!」
カップルが急いで倉庫を出ていく。
「やっと出られたな…」
「1時間くらいはいたねぇ」
その間ずっと体をひっつけていた俊と京香。
「俊暖かった」
「なんだよ(笑)」
「あのカップル来なかったら私たちヤってたのかな」
彼女はボーっとした目で言う。
「俺は完全に理性失ってただろうなぁ…」
「でも私は拒んでたと思う。」
「マジかよおい」
「ふふふ」
そう笑って、京香は俊に抱きつく。
「俊、好き。」
「京香、俺」
「俊は言っちゃダメ。玲衣を裏切らないで。」
「お前のためなら別れる」
「嘘。まだ玲衣のことも好きなくせに」
「…」
図星で何も言えない。
「無責任な不倫男みたいなこと言わないで。玲衣と幸せにね。」
「京香」
「もうちょっと、早く好きになってればよかったのかなぁ…」
彼女はまた泣く
「泣くなよ…好きだよ、京香」
「俊…」
俊は彼女にそっと口づけする。
涙が混じったしょっぱいキスだった。