第2章 来ちゃいました!?
「おーい二口ぃお前の好きな雪宮華楓が来てるぞ!!」
「ちょ、ちょっと鎌先さん!?」
ガラッと音を立てて体育館の扉を開けた鎌先は部活中の二口に容赦なく話しかけた。と言うより大声で呼んだ。
「鎌先さんなんなんですか?就活はいいんですか?…って何でいんの?」
大声を上げた鎌先にイラついた様子で言った二口はその後ろに華楓がいることに気づいた。
「…あ、あははは…こういうのってやっぱ来たらまずいのかね?」
「ダメだろ。他校のプレイは大会以外で見たらいけないっていうぐらいなんだからさ…」
「そっかーじゃああたし帰るわ」
「…まぁ…練習内容とか喋ったりしなけりゃいてもいいけど」
「ほんと?じゃあいさせてもらいマース!」
華楓は目を輝かせた。その後に思い出したかのように言った。
「あ、あとひとつ聞いていい?」
「手短にね」
「さっき茂庭さんたちに聞いたんだけど、月バリのあたしが載ってるページ毎月見てくれてるってホント?」
二口はそう問いてきた華楓の後ろでニヤニヤしている3年3人の姿を見て呆れたように華楓に答えた。
「…そうだけど?前に月バリ立ち読みしようとしてたまたま開いたページがお前だったから、その次の月からは全部見てる。」
「まじかぁ(笑)あざます!」
「じゃあ練習戻るから」
「うん!」
練習に戻っていく二口の背中を上機嫌に見ながら華楓は体育館の隅っこに胡座になった。
釜先と笹谷は二口に連れていかれ練習に参加させられていた。華楓と茂庭は2人でいることとなった。