第8章 見かけによらず
月島は華楓と日向2人が頭を下げたところでOKはしてくれない。
「影山頼めよ!」
「そーだよ!そしなきゃ遠征の話チャラになる!!」
華楓と日向は小声で影山に言う。流石に諦めたのか影山は渋々月島に頼むことにした。
「…勉強…教えてください」
その影山の声はエレベーターや電車の中で繰り広げられるほどの小さい声。
「はい??」
もちろん月島は『はい』とは言わない。
「勉強をォォォオ!!!教えて下さいゴラァァア!!!」
「わあ!!?」
影山は叫ぶ様に言った。月島だけでなく華楓も山口も日向もその声に驚く。
「うるせえぞお前ら!!近所迷惑だ!!」
ですよね~( ̄∀ ̄)
この時華楓と山口はそう思った。
でもこれで頑張れば大丈夫だよね…
期末の確認をしようとスケジュール帳を出した華楓。
えっと…あっ…
スケジュール帳を開くと今週の金曜日夕方のところに『野外ライブ』と書かれてた。
金曜日ライブだったの忘れてたぁぁぁあ!!!
1人で手帳を震えながら持つ華楓を1年4人は不思議そうに見ていた。
ああああなんでこういう時期に被るかね…ライブ雨で潰れろよおおおお!!!
いつもならライブを楽しみにする華楓だったが今回は違った。
どう考えたってライブよりテスト優先だろ…まじ辛い…ほんと頑張んなきゃ…勉強…
ライブを全力で拒否したがる華楓だが、この時華楓のライブを楽しみにしているやつが伊達工業高校にいた。