第1章 再会
「へぇ…ちゃんと喋れたんだね。見かけただけじゃなくて」
「まぁね…でもなんか申し訳なくなったっていうかなんというか…」
「あっそっか…その二口?先輩はうちに負けたんだもんね」
「そうなの!今までは『勝たなきゃ、勝たなきゃここで終わる』みたいな感じで相手のチームなんて考えたことなんてなかったからさ…」
「でもさ、また会おうと思えば会えるわけでしょ?」
「え?」
「だってまた会えたらなって言われたんでしょ?あっちだってまた会いたいってことじゃん」
そっか…また会えたらってそういうことか!
「次会えるのっていつになるのかな?」
「そんなの私より華楓の方がわかるでしょ!でもいつ会えるかわかんないなら自分で会いに行けばいいじゃん!」
「あ、そっか(笑)ありがと凪咲」
「華楓って時々抜けてるよね…まぁ頑張りなよ。二口先輩好きなんでしょ?」
「え?好きとは言ってないよ?ただ良き兄みたいな感じ」
「そーなの!?あ、そろそろ行くね。とりまファイト」
「あ、うん」
チャイムが教室に響き渡るとともに凪咲は教室から出ていった。
会おうと思えば会える…か…
華楓は残りのジュースを飲み干して言った。