第6章 保護者代理・及川徹
「あ、岩ちゃん」
「おう」
華楓の家の側にある交差点で華楓と岩泉が会った。
この交差点は歩いて登校したり、自転車で登校したりする時に丁度烏野高校と青葉城西高校で分かれる道なのだ。
「今日って徹が晩御飯作る日だよね?一緒じゃないの?」
華楓の家に向かいながら華楓は言った。
「ちょっと用があるって言って部活終わったらすぐにどっか行ったぞ」
「まじか。相変わらずずいぶんマイペースだよね」
伊達工に行った、なんて華楓には言わない方が良さそうだな…
「…岩ちゃん?」
考え込んでいる岩泉に疑問を持った華楓は岩泉ことを下から除き込む。
「あ、いや…なんでもない…」
「い~わ~ちゃ〜ん!!」
「うぉっ!」
華楓と岩泉が歩いていた左側の曲がり角から及川がダッシュで突進してきた。
「危ねぇだろ!(ゴンッ」
「痛っ!」
「…びっくりした」
なんだかんだ話しているうちに華楓の家の前の通りに来た。家の前には郵便局員がいる。
「書き留めですかー?」
華楓が大きな声で聞くと華楓程ではないがそれなりに大きな声で「はい」と返事が来た。
「んじゃあ先行くね」
「はいよ」
走って家に向かう華楓を笑顔で及川は見ていた。その隣で岩泉は深刻そうな顔をしている。
「…で、伊達工…行ったんだろ?」
「うん。ちゃんと誰と会ってきたかもわかったし、そいつとも話せたからね」
「…華楓嫌がってるんじゃねぇの?」
えーそう?、と言いながら及川は考え込みまた岩泉に言った。
「でも何かあってからじゃ遅いでしょ?しかも今のところ華楓の彼氏候補は岩ちゃん以外許可してないしね!」
「…はぁ!?」
「バレてないとでも思ったぁ?」
「…っ//」
「岩ちゃんが照れてるぅ~✩」
「っうっせー!!!」
「おいちょっとそこの男子高校生2人!近所迷惑っ!!」
華楓に呼ばれて家に向かって再び歩き始めた。
「ファイトだよ岩ちゃん!」
コソッと岩泉に及川は言った。
「…おう…」